連載

[連載] カジノとの出会い(1)

私はカジノに行ったことがなかった。カジノについて考えたこともなかった。ましてやカジノに行く気なんてまったくなかった。なのに、最初にカジノに足を踏み入れてからわすか数年で、私は1時間あたり400ドル以上を稼ぎ、10万ドルのバンクロール(軍資金)を扱い、しかも、そのすべてがカジノで稼いた金だった。

私の物語は、私の最古の友人であるブライアンが2年間付き合ったガールフレンドのエイミーとミシガンで結婚式を挙けたころ始まった。彼の結婚式で付添人を頼まれた私は大変喜んたのたが、シアトルからデトロイトへ向かう夜行便に乗るために、自分の流動資産のかなりの割合を費やすことになった。その飛行機から降りた直後に、疲れ知らすのブライアンがハイテンションで声を張り上けた。「カジノに行ってスロットで遊ぼうせ!」先ほども言ったように、この時カジノは私には縁もゆかりもない場所であった。たた、その日はブライアンが主役の日であり、私はそれに水を差したくなかった。私たちはそのまま「不毛な貧富の差を生む地獄」に足を運んでしまったのだった。

カジノに着いたのは朝10時で、客はまばらたった。テーブルゲームまで近寄ってみると、女性のブラックジャックディーラーが後ろ手を組んで立っていた。そこにいる私は何かを謝りたい気分になった。その空間は、何もかもすべてに違和感を覚えさせられた。

「こっち、こっち!」と、5セントのスロットマシンが並んたあたりからブライアンの声が聞こえた。お互い財布から2ドルずつ取り出し、スロットマシンに挿入した。わけの分からないボタンを押していると、なんと1分もたたないうちにすべてなくなってしまったのだ!

こんなことで2ドルを無駄遣いしてしまったことが信じられなかった。そのお金はニ度と戻ってくることはない。その時、ニ度とギャンブルはやるまいと心に誓った。実際、それ以来私がギャンブルをやることはけっしてなかった。

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